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「補助金等見直しの経過説明」2月26日付けで、宇和島市が公式に記者発表した資料です。
しかし,結局のところそれは市民の一人である私たちがどう思ったか,自分たちが納得できるかどうかでしかないということを頭に置かなければならないと言うことに気づきました。補助金の趣旨やその使途が事業の目的達成に資するかについて,6人の委員がそれぞれの価値観でもって,その正否や,それが他に優先されるべき課題であるか考え判断したのです。回を重ねるごとに,少しづつ,こういうルールを基本とすれば,多くの方に納得頂けるのではないか。例えば,補助金の評価基準を作ってはどうだろうか。そうして,一致を見た補助金の今後のあり方と支出の適否を判断するプロセスについての答申を致します。 先に述べたように,以下は,あくまでも私たち6人の個が出した結論です。「市民の声」「住民の声」は十人十色,百人いれば百人の意見があるのですから,ひょっとすると「私たちの声」と「市民の声」が違っていることもあるかもしれません。しかし,この3ヶ月の内に100時間を越える時間を補助金について考える時間として持ち,今後ますます厳しくなるはずの市政を見つめる「市民」(タックスペイヤー)の目を意識して,補助金を受ける団体や補助金で展開される公益活動を外側から見る市民やそのサービスを受ける市民が,それらをどう受け止めるかということを無私の中に意識する機会を得た私たちの結論であります。 実は,こうして補助金のあり方を検討することが必要となった根幹には,今まで,行政が行政やその公益活動の外側にいる住民の声を聞くというプロセスを省略して物事を決めてきたという問題があるのです。 この答申を機に,宇和島市政に多くの市民が当事者として積極的に参加できるプロセスを構築し,「行政システムの変革」がおこらん事を切に願って本答申の序文と致します。 2 補助金等の見直しについて
(2)補助金等のあり方 補助金等の交付に際しては,公益性が高く,市民のニーズに合ったものであることが必須条件であり,その大前提を満たした上で使途が適切であることが求められます。
(ア)補助金等の交付基準の策定
市で交付する新規・既存の補助金等について検討を行い,「補助金等の交付基準」を策 定しました。交付基準を策定することにより,多種多様な補助金等について公平な審査及 び検討が出来ると考えます。 (イ)運営費補助から事業費補助へ切り替え 補助金等の交付にあたっては,“まず事業ありき”の事業費補助へ切り替えていく必要が あります。事業計画が組まれ,予算計画が立てられ,事業目的の達成について行政が資金 的なサポートをしていくことが必要と判断された場合に補助金が交付されるべきです。 新しい団体の設立に際しては,その多くが,初期の段階では組織力,運営基盤が脆弱で あるため自立できるまでの一定期間については運営費に対する補助が必要です。 (エ)負担金のあり方 任意の負担金は,市が事業等より受ける受益に対し負担するものであるため,内容の 不明確な事業等に対し支出することのないよう十分に留意する必要があります。
平成14年度の予算編成にあたり,全ての補助金等について,「補助金等の交付基準」を基に内容の検討を行いました。 (ア)補助金等の見直し基準の策定及び判定
平成14年度の補助金等について,適正化を図るために「補助金等の交付基準」を基に「補助金等の見直し基準」を定めました。
(イ)補助金等の公表
市より交付されている補助金等の多くは市民の税金を財源としており,支払った税金の 使途を明確化するためにも,広報・ホームページ等で内容及び金額について公表する必要 があります。
(ウ)帳簿等の整備
今回のヒアリングに際し,出納簿及び領収書等が十分に整理出来ていない団体が見受 けられました。帳簿等の整備については,「宇和島市補助金等の交付に関する規則」に定 められており,補助金を受ける団体の必須条件であると考えます。
その他協議の過程で出た委員会の意見については,「附帯意見」に記しています。 (4)平成15年度以降の補助金等の交付について
平成15年度以降の補助金等の交付決定に際しては,学識経験者,行政経験者,民間人等で構成される「補助金等審査会」を設置し,補助金等支出の適否,使途の的確性等を審査することで,より広い層の意見を基盤として補助金等の交付が決定されることを望みます。
A 「補助金等審査基準」の策定。(補助金同士を客観的に比較検討出来る審査基準。)
B 予算・決算書の提出の徹底。
C
事業計画書・報告書の徹底。(出納簿・領収書等の提出を含む。)
D 財務処理ルール(税法上の)を遵守した会計の徹底。 市税や交付税の低迷が続くなか,限りある財源を有効に活用するため,今回初めて検討委員に行政外の住民が加わることで,抜本的な補助金の見直しを行ってきました。 1 効果性
(1)補助金等の交付が客観的にみて公益上必要であること。 (2)補助金等の交付に対して費用対効果が認められること。 (3)補助金等の交付が時流に合っておりかつ市民のニーズがあること。 (4)市民の福祉向上及び利益の増進に効果が認められること。 2 適格性
(1)法令に抵触していないこと。
(2)団体の会計処理及び使途が適切であること。 (3)団体の決算における繰越金が,原則として補助金の額を超えないこと。 (4)団体の事業活動及び内容が団体の目的と合致していること。
1 適正(原則交付するべきもの) (1)補助交付基準に概ね適合しており補助の必要性が認められるもの。 (2)国・県の補助金を財源の一部として充てる事業のうち市からの負担が義務的である もの。 (3)建設費等に対する補助のうち契約書等により市の負担が決定しているもの。 2 減額 (1)飲食費(弁当代,懇親会等)に対して補助するもの。 (2)慰労的な研修費及び成果報告のされていない研修費に対して補助するもの。 (3)補助受給団体が他団体へ行う迂回助成部分に対して補助するもの。
(4)同目的に対し,市行政から複数の補助が出ているもの。 (5)繰越金が補助金の額を超えている団体に対して補助するもの。(繰越金の内容を考 慮した上で。)
(6)その他支出することが不適切であると判断される経費に対して補助するもの。 3 廃止 (1)自主運営が出来る団体に対して補助するもの。
(2)予算決算の管理が出来ていない団体に対して補助するもの。 (3)事業計画及び事業報告が出来ていない団体に対して補助するもの。 (4)繰越金が補助金の額を超えている団体に対して補助するもの。(繰越金の内容を考 慮した上で。)
(5)その他補助交付基準に適合していないと思われる事業及び団体に対して補助する もの。 4 事業内容等の見直し (1)補助の必要性はあるが,多少の指摘事項があり見直しを要するもの。 5 支出科目の変更 (1)他の科目(直接経費で計上するなど)で行った方が効果が認められるもの。 (2)市職員(特別職を含む。)が,代表を務める団体等に対して補助するもの。
(市が事業主体となり実施する方が適切と考えられるもの等)
社会福祉協議会は,運営費についての大部分を市からの補助金に依存しており,また,市民からの寄付等の受け入れ先ともなっています。 運営費について,単年度の収支が不足した場合に市から助成を受け,余剰金は内部留保されるという現状(外見上)を考えると,今後,市の実務担当者が法人の経営政策決定に関与できる体制や機能する監査役員を設置するなど,同協議会の経営に対し,より多く関与していくシステムの構築が必要と考えます。 また,同協議会の裁量により福祉団体等へ運営費補助・事業費補助がなされていること(共同募金等の配分など)については,市からの団体助成と合わせた情報管理を行った上で,「補助金等の見直し基準」2の(3)を準用したチェックを求めます。そして,市の補助金と同様に内容及び金額について広報・ホームページ等により公表する必要があると考えます。
市により農林水産,商工業等に対し年1%の利子補給を行っていますが,ほとんどのものが年10%近くの高金利の時代に設定されているものです。 補助の必要性は認めるが,現在,金利の下落によって個人負担が非常に少ない現状や国・県の利子補給率が既に見直されていることを考慮すると利子補給率の見直しを中心とした利子補給制度の再検討が必要であると考えます。 3 イベント補助のあり方について
市により交付しているイベントに対する補助について,毎年実施しているから例年どおり補助を行うという考えではなく,真に効果があり,多くの市民に波及するようなイベントに対し補助を交付する一定の基準(事業評価基準を含めたもの)を策定する必要があります。 4 私企業等への補助金について (1)所有者名義の再考 不動産・動産を問わず私企業・個人の資産形成に資する補助金について,市が補助を行っ ているもの(用地費及び建設費補助等)については,その所有者名義のあり方(所有者は市 で貸借契約・使用契約とするなど)について再考を要します。 私企業・個人に対する補助のうち,補助の根拠が団体個人の決算情報によるものである場 合,その決算が正しい(補助金を受けることを考慮して,創作されたものでないこと)ものであ るか,また,補助金を受けている事を意識し,健全性(経費の支出細目・支出額の妥当性)の 維持がなされているかのチェックが必要です。 補助の交付にあたっては,算出規定のある国庫補助と同様もしくはそれ以上に厳しい審査 を実施することが必要と考えます。 委員長 武田 元介 副委員長
薬師神 津一 委員
大窪 美代子 委員 杉本 和寿 委員 松田 公彦 委員 本城 修子
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