(9)耳を澄ますと 私にはこう聞こえてきます。

           

私は誰?どこから来たの? そしてどんな誰になるの?
遅くまで勉強してても
  いい子にしてても  心の中が空っぽなの
学校では日本が悪かった 日本はひどかったと教えてくれる
きっと私たちをよい子にしようと思っているに違いないの

私たちが責められているわけじゃないけど でもどんどん重い気分になってくる
とくに平和記念館に行ったときは吐きそうになったわ
いつも優しいおじいさんがあんなひどいことをしてきたなんて
ぞっとした
学校で教わったことをおじいさんに言ったの
中国や韓国でいっぱい悪いことしてきたの?
いっぱい人を殺してきたの?
お小遣いをくれて 一度も怒らないおじいさんが ・・・ぽろぽろ泣いてた

学校でも家でも 私が誰なのか教えてくれない
誰になるのかも教えてくれない
私は透明な存在なの

たすけて
今日も同じクラスで いじめられてる子がいる
いじめられるのはこわい
もし自分がいじめられたらどうしよう
 きっと死にたくなるわ
自殺した子がいたの いじめられて
遺書があったの 「みんなは悪くない 自分が悪い」と書いてあったの
先生も 「いじめられるほうも悪い」といってたわ

本当は先生も 大人も いじめっ子も
自分が誰で 誰になりたいのか知らないのよ
だから教えられないの・・・


私たちは自由で 何にでもなれるって
とっかかりのないところに行ったら もっと不安になって
もっと誰だかわからなくなりそう
地球市民って誰がつくったのかなあ

私たちがどこから来た誰かわかるように
そして、私がこれからどんな誰になりたいのかわかるように
ちゃんとした「歴史」を教えて
先生も親たちも、私たちのことをほんとに考えて・・・おねがい

 筆者には、子供がそう言っているように思えてなりません。子供達の心は空白なんかじゃない、と言い切れるでしょうか。(ただし子供に直接聞いてもわかるはずはないが。)経済はともかく、周りの大人達が精神的に力強く生きているでしょうか。『いじめは絶対にいけない』と力強く子供達に教えているでしょうか。社会の病理は、一番弱い子供達に表面化して来ると思います。子供達は、大人達に問題を具象化して見せ、こんなになるまでよく放っておいたとばかりに、突きつけて迫っているように思えます。朝日新聞のしつけや正義感についての報告で、「他の国に比べて極端に少なかった」とか「日本の子供大丈夫?」の解説や見出しを読んでは、深刻に納得し、同時におもしろく思えました。ねつ造してまでやたら外国への謝罪を書き立てる、日本のマスコミの現状に、その原因の一つがあるのにと思われたからです。
 高橋氏が述べているように、自分を尊重しない自虐教科書では、自分も愛せないし人も愛せないでしょう。自分を尊重できない人間に他人を尊重することなど出来るはずがない。出来ると考えたらそれは空想だ。自分を愛し、家族を愛し、故郷を愛し、国を愛する事が出来て、地球市民なのではないだろうか。不確かな不安な個から、いきなり地球市民はあり得ない。(愛国心も持たないような人間がやって来たら、相手も信用できず困るでしょう。)子供の「いじめ」は、潜在意識に遠回しに否定された自己の不在、そこはかとない不安、自分を尊ぶことが出来ない苦しみ、追いつめられてあの子よりましだと思うことでバランスを取っているのではないでしょうか。いじめは不安のはけ口ではないでしょうか。筆者は、子供の「いじめ」「学級崩壊」「自殺願望」「無気力」「犯罪の多発」は、占領政策以降の力強く生きる力を持てない社会の病理がいよいよごまかしの利かないところに来てしまったからではないかと考えるのです。登校拒否をする子供も先生も、戦後民主主義の犠牲者なのではないでしょうか。

 我々の委員会は歴史教科書だけを取り上げ良くしようと発足しました。しかし現在の状況は、教科書や教科書を実質採択する先生だけの責任ではないのです。日本人全体が、まずこのことに注目し本当の歴史と本当の日本人を回復すべき時が来たのだと思います。そのことを遠く眺めながら、「新しい教科書づくり委員会」は発足しました。

(10)喪失した歴史を取り戻そうとするとき、左に対する右のイデオロギーしかないのか? 我々には「日常生活の常識」という健全な価値観があるではないか

 我々の世代は、幸か不幸かイデオロギーを良く知らないのではないでしょうか。そもそもイデオロギーの線上になく、純粋な価値基準としての「日常生活の常識」しか持ち合わせていないのです。 とらわれない世代しか歴史観を変えることは出来ないでしょう。今年金沢市で行われた日教組の第49次教育研究全国集会の報告で、「生徒の中にはこれまでの史観に反発する認識があり、教室で話題になり他の生徒に広がっていく」様子を懸念していました。彼らが懸念するほどだからきっと健全な認識なのではないでしょうか。以下に若者の多くから支持されている『ゴーマニズム宣言』の中から、よしりん(小林よしのり氏)への応援メッセージを抜粋しました。子供達は、自発的に勉強しています。新しい歴史教科書をつくる会のシンポジウムにも多くの若者が勉強しに来ています。

  

涙が出ていた。この本を読んで祖父にあやまりたいと思ったからだ。というのは私が小学校3年くらいの頃。今思えばサヨクが子供の洗脳のためにつくった戦争の本を図書館にある団体が寄付した。私はその当時祖父を真剣に怖がりビルマで捕りょになっていた事も「悪いことをしたから当然」と思い、あげくに「おじいちゃんも人殺しした?と聞いた。その時、祖父は悲しいような、でもあきらめているような顔をしたように思う。この本を読んで私は祖父に「ありがとう」と言いたい。そして祖父のためにも自国に誇りを持とうと思う。(16歳・女子高生) /「戦争」の真実を教えられた。僕の父の伯父は大変優秀な人で、空軍に所属して若くして戦死したそうです。僕はこれまで個人に対して「かわいそうに」ぐらいの感情しか抱けずにいました。しかし今、自分の無礼さを恥ずかしく思う。今年の盆にはいっそうの感謝と尊敬をもってお参りに行こうと思います。(17歳・高校生) /日本兵ってすごくカッコイイ奴らだったと思い、同時にすごく感謝した。自分も誰かを想って守って生きたい。「命は手段に過ぎない〜」のくだりに震えがきた。(20歳・学生) /我が家で同居している、戦争に行った祖父が本書を読んで「生きてて良かった」と言いながら号泣しました。びっくりしました。(34歳・会社員) /我々戦中派の総てを代弁して下さった感じにて、厚く御礼申し上げます。中支、ラバウル、ブーゲンビルに散った

1988名の靖國の戦友も感涙にむせんで居る事と思ひます。小林さん、益々の御健康と御活躍を祈念いたします。(東京都・   76歳)                (『戦争論』読者応援レター(新ゴーマニズム宣言第6巻)

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