平成13年3月7日(水)午後1時30分〜3時10分
県宇和島地方局建設課において説明会を開催した。
参加者 県関係 砂防係長:松森幹夫 第二係長:栗原明彦 他に2名
市役所 高橋建設課長 小川都市整備課長 他に1名
来村川漁協 玉田会長 豊田専務 山岳会 西田代表
10名
砂防係長 県の自然保護課よりの文書を受けて砂防事業についてのご理解を得るために来て頂いた。
第二係長 砂防事業についての説明
・必要性 人々の生命と生活を守り、自然景観を守るために
・その河川にあった形式を取り入れる。透過型(適度に土砂を流す)
・コンクリートタイプを止め、鋼製の枠作りにし、河川の岩石を利用する。
・植生には極力影響を与えない 2m幅程度の道があればよい。
・宇和島市からの要請で計画をした。
・環境調査をこれから実施する。
◎ 地元の方や文化財保護審議委員会への説明会で、その参加者が非常に立腹したというそれはなぜか。・・説明不足で申し訳ない。
◎ 始めに市役所のある担当に行った時には「既に地権者の買収も始まっており、いまさら反対すると言うても遅い」と言われた。
・・立場がありそう言われたのかも知れない。今からいろいろな調査に入り、地元や関係者の理解を得るために説明会なども開く。
◎ 今まで特に関係する漁協等への説明をなぜしなかったのか。
・・計画がきちんとできていなかった。それができてから言おうと思った。
◎ 計画ができていないというが、計画書もきちんとできている。その案が出たときにまず話をもって行く筋合いのものであろう。県としては出来れば独断でやってしまおうとしていたのではないのか。
・・そのようなことはない・・ ?
◎ 調査を行うと言われるが調査場所は ・・岩戸橋からダム予定地上流にかけ。
◎ 下流域についてはやらないのか、アユや絶滅種のシラウオの遡上しているが
・・調査の予定である。
◎ 調査期間は ・・約1年間かけて行う。
◎ 既に国の予算は取り付けているのではないか。
・・調査費として付いている。工事の段階にはいたっていない。
◎ 大量の資材を投入する必要があるが、どうして搬入するのか。
・・2m幅あればよい。大型の建設機械は使用しない。小形のもので行う、日数は かかるが仕方ない。
◎ 貴重な植生等を傷つけたり、掘り起こすことはないのか。
・・先般何人かで調査に入った。傷めないよう配慮するつもりです。?
◎ 砂防工事というのは不必要と思われるところもどんどん行っている。税金の無駄遣いではないか。
・・災害はいつやって来るかもわからない、明日来るかも知れない、今までの例だと何にもなかった所に起きている。そのための対策である。
◎ その論でいくと外を歩くこともできない、交通事故などいつ災難が降りかかってくるかもしれないので。また土砂災害を防止するには市内をぐるっとコンクリートの壁で取り囲んでしまわなければならない。中国の万里の長城のように。
・・沈黙
◎ スーパー林道が大規模林道に拡幅される。そうすると崩壊の危険が増す、そのためのものではないのか。
・・そのようなことはない・・
◎ ダムを作るより、崩壊しない手立てを行うことが先決ではないか。ダムを作り、 山頂付近に道路を開設する行政が今日の自然破壊や災害をを起こしている。
・・いままではそのようなことがあったが、これからは自然環境にあった工事を進めるので理解して欲しい。
◎ 都市整備課長に 薬師谷全域を公園とする構想はないのか、県立自然公園、国立公園に組み入れることは。またダム予定地から上流域にかけての整備はしないのか。登山道が平成5年に崩壊したままになっている。
・・民有林も多くその計画・構想はない。(登山道整備は聞き取れなかった)
◎ 現在の計画でコンクリートの使用場所は。
・・流出溝周辺のみ・・ ?
◎ ダムを作り、その後に魚類の収穫が少なくなったときの補償は考えているのか。
・・今までにも例はなく、考えていない・・
◎ それはぜひ考慮してもらいたい。そうならないためにもダムは必要でない。
私自身は必要ではないと思っているが、環境調査結果がきちんとなされ、逐一情 報が公表されて地域、漁協、審議委員等の関係者が全員納得し、自然環境にマッチ したものであれば、特に反対はしない。皆の合意のもとで事を運んで下さい。
現在の計画案ではあまりにも今までの、既製のコンクリートのイメージが強い。 自然環境にマッチしたものとはなり難い。他に幾つか案を作る必要あり。
◎ 来村川漁協としては薬師谷の水流が命である。水道のカルキで死んでしまう魚もいる。絶対にコンクリートなどで汚さないようお願いしたい。
◎ 河川工事についてコンクリートの三面張りは絶対に止めて欲しい。基部はコンクリートでなく自然石を積み上げること。そして河川は自然のままに渕や深水場をつくること。今までは埋めてしまい、浅いさらさらとした流れにして、魚の逃げ場所・ 成育場所等がなくなっている。昔の自然の流れに戻す必要がある。
・・三面張りはしていない、基部には出来るだけ自然石を使う方向にある。
・・今後の進め方として、地元等との関係者に理解してもらうよう説明会を開く。宇和島市の代表としては文化財保護審議委員の方でよろしいか・・?
◎ それで結構です。・・このような会を持ちたいのでその時はお願いします・・
◎ ぜひそのようにして下さい。
薬師谷渓谷における砂防ダム建設に関する要望
上記の説明会を受けて、砂防ダムが建設されるようであれば下記の要望を致します。
1 ダムの構造について
自然石をそのまま積み上げた構造にし、永久的に腐食しない、壊れない、そして生態系に影響を与えないものとし、さらに渓谷の公園化に一役買うことのできるも のとする。
・鉄枠に岩石を入れると言われるが、この鉄枠が腐食すると、渓流の水質に悪影響を及ぼし、さらに崩壊したときは周辺に大きな災害をもたらすことが考えられる。そのためにもコンクリートや鉄材等は一斎使用しないこと。
《できうれば自然石を積み上げる工法で全体をできないか。》
・流水口の幅をもう少し広げることが良いかと思います。
・ダムの形状は今の計画ではなく、高度感を感じないような、円形を基本にした形状が自然環境にあったものと思われます。
2 ダム予定地から上流の登山道整備について
ダムも含め周辺の登山道はきちんと整備すること。
平成5年にスーパー林道の基部からの大崩壊で沢沿いに道が寸断され、水無し橋から上流の登山道はほとんどなくなっています。災害復旧のためでもあり、ぜひ修復をお願いしたい。
くらがり尾根取り付きまで・・崩壊するまでは登山道があり。
下記の登山道の復旧と開設を
・ 水無し橋〜藤治ケ駄馬
以前にはあり、伐採後に植林をしたときになくなった。
・ 大モミ沢入口〜オタカの滝〜
上部の登山道(篠駄馬から権現山への登山道)
滝の近くまでは踏分程度はあり
3 薬師谷ダム建設に伴う環境調査結果・砂防ダム計画等、早めに宇和島市広報等に 掲載するなどその情報公開をおこなうこと。
4 今後の進展等に関する会合で宇和島市の代表としてはできるだけ多くの関係者で お願いしたい。 |