(5)「侵略」と「侵攻」書き分けについて

 『元寇』は一様に「襲来」「攻めてきた」等と記述され、秀吉の朝鮮への出兵は全て「侵略」。原爆投下後の日本へのソ連参戦は、「攻撃」「侵入」「宣戦」「進撃」等になる。日清・日露は、「日本の大陸侵略」(日本書籍)、「帝国主義の世界と日本のアジア侵略」(大阪書籍)。とすれば第二次世界大戦時の日本についての記述は、想像がつくはずである。ぜひその目で確認して欲しい。日本の戦争は必ず、悪のイメージで捉える。それなら立派な戦争をしたのはいったいどこの国か。ソ連か? 中国か? アメリカか? イギリスか? 歴史教科書は、自虐と言われる所以を、初めての読者にもわかりやすいほど提供してくれている。

 教科書は終戦によって、日本もアジアも平和と自由を勝ち得たかのように記述する。正しくない。当時の「力強い」日本人は、愛する人たちの誇りと自由を、命を省みず守ろうとしたのだ。この真実を取り違えてはならない。

 自虐教科書批判のきっかけとなった「従軍慰安婦問題」や、国際的話題の「南京虐殺」は第3章で詳説したので参照されたい。

 結論、アマチュアの筆者がこれほど簡単に指摘説明できるほど、わかりやすい自虐・歪曲の構成による教科書というものは、こうまでして書かないと意図する方向に持っていけないものなのだと考えられる。つまり、日本のある程度の潔白さを逆に自虐教科書は証明しているのではないだろうか。

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