第3話 如何にして正義を取り戻すか

1)日本の正義

 正義を取り戻すためにもう一度戦争をするわけにはいかないだろう。だからといってこのまま不正義を押しつけられ、ただ「働いては、外国に貢物をするアリのような民族」になりたいか?私は決してそう思わない。 ?

 我々は、戦勝国の都合で書きかえられた、教科書を破棄し、封印された日本の立場、日本の主張、日本の正義に基づく、「日本の歴史教科書」を、自らの手で作ることを提言するこれ以外に、平和的に我々の正義を取り戻し、罪をなすり付けられて死んで行った人達の無念を晴らす方法はないと信ずるからである。
  ある中国の首脳は、オーストラリアの首脳に対して、日本などと言う国は、あと20年もすれば、無くなってしまう国だと言ったと言う。我々は、我々の子孫に対して立派にこの国を引き渡す責務があると信ずる。政治に対する不信、官僚の腐敗、青少年犯罪の急増、公衆マナーの低下。全ての諸問題に対し、我々の取るべき道は、まず「日本の背骨を立て直す」こと、我々の手で日本の「歴史を見直し」、「誇りある国家」を再建すること、これ以外にないと確信する。 

2)民族の正史に誇るべき日本軍の強さ

 現代では、「軍備を持つこと自体が害悪であり、日本は軍国主義だからその意味で最低最悪」と考えている人が多いであろう。しかし、当時世界の強国はどこも立派な軍隊を持っており、今日でも軍隊を持ち国際紛争の最後の手段として戦争を行う諸外国では、この体質は何も変わっていない。ゆえに、一人日本だけが責められるべき話しではない。これまで述べてきたような事情で、日本人自身が、日本の軍隊は「特別残酷で卑劣でしかも好色であったようなイメージ」を持たされているのではないか。
  この稿の最後に銘記しておくが、日本軍は、世界史上、比類無き勇敢で精強な軍隊であった。この事実を証言するのは、当時日本軍と戦った中国国民党軍、あるいは米英軍等の将兵である。(注)
  「日本軍は、良く訓練されており軍律は厳しく、何より勇敢であった。日本兵は死をも恐れず、倒れた戦友の亡骸を飛び越えて突撃してきた。このような強い精神は、武士道や大和魂によるもので、敵といえども我々の学ぶべきことである。この精神は、残念ながら我が軍には不足していた」と言うような証言は枚挙に暇が無い。後世、事実を知らない世代が憶測でいろんな事を言っているようだが、当時実際に戦った敵国の軍人が、「敵ながらあっぱれ」と舌を巻いているのは本当である。日本の戦った相手はいずれも世界の強国であり、中国とアメリカと言う二大超大国を相手に、一体他に誰が8年間も(日中の全面戦争を昭和12年からとすれば)戦いつづけることができたと言うのか?
  大東亜戦争の敗因には諸説あるだろうが、最終的には国力の差であろう。武器弾薬、燃料、食料、何を取っても敵のほうが格段に豊だった。しかし、劣勢にもかかわらず我が先祖は男も女も立派に戦った。日本軍が他に比較を見ないほど強かったことは、民族の誇りとして後世に伝える価値がある。

(注) 筆者はここで、上海戦において日本海軍陸戦隊に対して最初の一発を放った国民党軍、第八十八師の孫元良の「回顧録」を引いている。しかし、日本軍の強さは、蒋介石をはじめ、ジューコフ、アイケルバーガー、ニミッツなど日本軍と戦った相手が 皆認めるところである。付言すれば、中国兵が弱かったと言う先入観を持つ方がおられるとすれば、それは誤解である。特に上海戦における国民党の正規軍は、チェコ製の機関銃を始め外国製の武器弾薬を豊富に持ち、その陣地はドイツから招いた将校の指導の基に作られており、非常に強力であったことは事実である。また中国兵も勇敢に戦った事は、日本側にも多くの証言がある。

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